過酷な予選ラウンドを勝ち抜いた者だけが許されるファイナルのステージ。そこで待ち受けるのが、名門ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団とのピアノ協奏曲の共演だ。ショパンが青年期に祖国を去る直前に書き上げた第1番ホ短調、あるいは第2番ヘ短調。選ばれしファイナリストは、この2曲のいずれかをオーケストラとともに紡ぎ出す。
ソロ演奏とは異なり、コンチェルトではオーケストラとの対話力、ホールの隅々まで音を浸透させる響きの設計、そして極度の疲労のなかで集中力を維持する強靭な精神力が試される。オーケストラの豊かなトゥッティに対峙し、繊細なピアニッシモから圧倒的なフォルティッシモまでを自在にコントロールする覇者の響きが生まれた瞬間、ワルシャワの聴衆はスタンディングオベーションでその栄誉を称える。