日本国内には大宮の広大な鉄道博物館をはじめとする大型鉄道ミュージアムがいくつか存在する。しかし、この施設がそれらと決定的に一線を画すのは「地下空間と超過密ダイヤ」という極限環境に特化している点だ。
トンネルを掘り進めるシールド工法の変遷、地下深くへ電気を送り込む第三軌条集電システムの仕組み、豪雨時の水没を防ぐ防水扉の実物機構など、展示の視点が極めてユニークだ。広大な敷地に新幹線やSLを並べるダイナミズムとは異なり、1ミリの狂いも許されない都市工学の緻密さと現場の知恵が、凝縮された密度で迫ってくる。