二人の物語の起点となったのは、2016年に上演された舞台『ビニールの城』だ。演劇界の巨匠・蜷川幸雄の遺作となったこの作品で、二人は初共演を果たした。
稽古場で繰り広げられたのは、互いの剥き出しの表現欲求をぶつけ合う過酷なセッションだった。宮沢りえは森田剛の放つ圧倒的な集中力と、言葉の奥にある繊細な感情表現に息を呑んだという。一方の森田もまた、役柄に自らの命を削るように没頭する宮沢の姿に強い敬意を抱いた。舞台演劇という嘘のつけない空間で魂を交錯させた二人が惹かれ合うのに、多くの時間は必要なかった。