主役である九条ネギは、一般的な白ネギや薬味用の青ネギとは明確に一線を画す。葉が肉厚でありながら柔らかく、特有のぬめりと上品な甘みを持つ京都の伝統野菜だ。来来亭ではこれを細長い笹切り(千切り)にし、山のように高く盛り付ける。
この独自のカット方法こそが、スープとの絶妙な絡みを生み出す鍵だ。熱々の背脂醤油スープにネギを沈めると、熱によって適度にしんなりとし、シャキシャキとした食感を残しながらスープの旨みをスポンジのように吸い上げる。麺とネギを同時に頬張ったときに広がるジューシーな青味は、他の追随を許さない。