創業140年以上の歴史を刻む同店において、看板料理として君臨し続けているのが名物の馬肉鍋だ。明治の創業期より受け継がれてきた秘伝の味噌ダレは、時代ごとの気候や味わいの好みに合わせて微細な調整が重ねられている。2026年の最新の仕込みでは、赤身肉の旨味を極限まで引き立てるため、ブレンドする地味噌の配合率が見直され、より深みのあるコクと切れ味の良い後味が実現された。
鉄鍋の中でグツグツと音を立てる鮮やかな桜色の馬肉は、火が通り過ぎる手前の絶妙なタイミングで口へ運ぶのが鉄則だ。割下の芳醇な香りと、驚くほど柔らかくクセのない肉質が口いっぱいに広がる。長年通い詰める常連客すらも「通うたびに新たな感動がある」と唸らせるほど、伝統を守りながら進化を止めることはない。