安倍なつみは、かつて社会現象を巻き起こしたモーニング娘。の絶対的エースとして、アップフロントプロモーションを牽引し、J-POPの歴史に確固たる足跡を刻んだ存在だ。グループ卒業後もソロアーティストとして、また舞台女優として着実に表現の幅を広げていた。
対する山崎育三郎は、名門・研音に所属し、演劇・ミュージカル界の若きトップランナーとして数々の大作で主演を務めてきた正真正銘の実力派である。出自もフィールドも異なるふたりだが、「観客の心に直接響く歌声を届ける」という一点において、誰よりも深い共通言語を持っていた。ジャンルの壁を越えて惹かれ合った背景には、幼少期から舞台や音楽に情熱を捧げてきた者同士にしか分からない共鳴があったと言える。