足の裏に硬い病変が生じた際、多くの人が混同するのが「魚の目」「タコ」「イボ」の3つです。臨床現場の皮膚科医が警鐘を鳴らすのは、これらを自己判断で見誤り、誤った処置をして病状を悪化させるケースです。とりわけ、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因であるウイルス性イボ(尋常性疣贅)を魚の目だと思い込んで削ってしまうと、ウイルスを周囲にまき散らし、足裏全体に病変が拡大する事態に発展します。
3つの疾患には、明確な構造的・病理的相違が存在します。以下の比較表でそれぞれの特徴を確認してください。
見分け方の最大のポイントは「痛みの方向」と「表面の断面」です。患部を真上から垂直に押して強い痛みがあれば魚の目の可能性が高いですが、患部を左右から指でつまんで強い痛みが走る場合は、ウイルス性イボが強く疑われます。また、表面に黒い点々が見られる場合、それは硬化した角質ではなく充血した毛細血管の断端であり、イボの特徴的な所見です。これを見誤って市販の魚の目削りで削ってしまうと、家族間感染や病変の多発を招くため細心の注意を払わなければなりません。