近年の配信プラットフォームで人気を集めるスポーツドキュメンタリーのカメラは、これまで固く閉ざされていた球団エンブレムデザインの舞台裏を次々と白日の下に晒している。1つの新しいマークを世に出すまでに、数千枚に及ぶスケッチが描かれ、フォントの払いの角度や空白の面積についてデザイナーと球団幹部が何ヶ月も議論を重ねる過酷なプロセスだ。
ファンにとってロゴとは、人生の喜怒哀楽を共にしてきた魂の象徴である。だからこそ、軽率なリニューアルは時に激しい反発を生む。ドキュメンタリーが映し出すのは、歴史へのリスペクトと未来への革新という二律背反の狭間で苦闘するクリエイターたちの生々しい葛藤だ。知られざるドラマを知れば知るほど、ユニフォームの胸元に輝く意匠がまったく違った深みを持って見えてくる。