2012年、福田幸子の演奏家人生において大きな転機が訪れます。日本を代表するセミナー型音楽祭「アフィニス夏の音楽祭」への初参加です。国内外のプロオーケストラ奏者が集い、世界的バイオリニストやヴィオリストから直接レッスンを受けるこの音楽祭は、彼女の音響観を大きく塗り替えました。
欧米のトップオーケストラから招かれた演奏家たちの奏法は、無駄な筋緊張がなく、自然体で圧倒的な音量を生み出すものでした。「なぜこれほどまでに豊かな響きが生まれるのか」。その疑問に対する答えを探し求めるプロセスが、彼女独自の演奏理論構築への第一歩となりました。