ブラッド・ピットの肉体美とスタイルが世界的なセンセーションを起こした第一のピークといえば、間違いなく1999年の『ファイト・クラブ』だろう。タイラー・ダーデン役で見せた無駄な脂肪を削ぎ落とした研ぎ澄まされた肉体と、危険なカリスマ性は、当時の若者文化やファッション誌の表紙を完璧にジャックした。
しかし、彼のビジュアル変遷は単なる肉体美にとどまらない。ワイルドな長髪で観客を虜にした長編作品から、短髪で泥臭い兵士を演じた激しいアクション映画まで、彼は自らのルックスを役に捧げ、壊すことを恐れなかった。美貌という最大の武器に甘んじず、敢えて泥に塗れる役柄を選ぶことで、ハリウッドにおける唯一無二のポジションを確立していったのだ。