GACKT演じる上杉謙信の影響力は、テレビ画面の中だけに留まりませんでした。舞台となった新潟県上越市で毎年8月に開催される伝統行事「謙信公祭(けんしんこうさい)」において、地方創生史に残る社会現象を巻き起こします。
大河ドラマ放映年の2007年、上越市の熱心な招致に応える形で、GACKTは謙信公祭の出陣行列に劇中の衣装をまとって特別参加。この年の祭りには、前年の倍以上となる過去最高の2日間で約24万2,000人という驚異的な観光客が全国から押し寄せました。
上越市の試算によると、祭り期間中の直接的な観光消費額だけでも数十億円規模にのぼり、地元経済に絶大な波及効果をもたらしました。さらに驚くべきは、この参加が一過性のプロモーションで終わらなかった点です。GACKTはその後、2008年、2010年、2011年、2013年、2014年、2015年と通算7回にわたって出陣を果たしました。
特に観衆を熱狂させたのが、沿道を疾走する圧巻の乗馬シーンです。自ら手綱を握り、愛馬とともに颯爽と駆け抜ける姿は、スタントや演出の域を完全に超えた本物の武者行列そのものでした。東日本大震災の復興支援や地元中学生との交流など、地域に寄り添い続けた誠実な姿勢は、上越市民の心を深く捉え、「越後の恩人」として今なお敬愛されています。