八嶋の役者としての骨格を形作ったのは、間違いなく小劇場演劇の現場だ。1990年に劇団カムカムミニキーナを旗揚げして以来、限られた空間で観客の心を掴むための貪欲な表現力を研ぎ澄ませてきた。舞台上での即興的な対応力や、客席の空気感を即座に察知する鋭敏な感性は、後のテレビドラマや映画での大ブレイクへと直結していく。
国民的人気ドラマシリーズで一躍全国区の顔となって以降も、彼の根底にあるのは「舞台人」としてのプライドだ。どれだけ映像作品で多忙を極めようとも、定期的に生の舞台に立ち続け、汗を流す。作品の規模や媒体を問わず、自分に求められている役割を瞬時に理解し、120%の精度で打ち返す柔軟性こそが、長年にわたり第一線で重宝される最大の理由だ。