普段は船酔いで嘔吐を繰り返し、銀時から「ただのバカ」と一蹴される辰馬ですが、かつては坂田銀時(白夜叉)、高杉晋作をモデルとする高杉晋助、桂小五郎をモデルとする桂小太郎と並び、「攘夷四天王」の一角として天人(あまんと)に恐れられた伝説の剣士でした。
土佐の裕福な商家に生まれた辰馬は、莫大な財力を背景に攘夷戦争へ物資を支援するだけでなく、自らも前線に立ちました。その凄まじい剣技から「桂浜の龍」の異名を取り、戦場で数々の武功を挙げています。しかし、現在の辰馬は決して真剣を抜かず、護身用の短銃(ピストル)のみで戦います。この変化の裏には、胸を打つ過酷な過去が存在します。
戦争末期、辰馬は敵の奇襲から負傷した仲間を救うため、自ら盾となって右腕の腱を深く斬り裂かれました。名医の手術によって日常生活に支障はないレベルまで回復したものの、かつてのように全力で刀を振るう力は永遠に失われてしまったのです。しかし辰馬は絶望することなく、「人を斬る剣の時代は終わった。これからは人と人を結ぶ商いの時代ぜよ」と笑い飛ばし、宇宙へ飛び出す決意を固めます。刀を捨てたのは単なる身体的ハンデではなく、「復讐の連鎖を断ち切り、対話と経済で世界を救う」という彼の崇高な信念の現れでもありました。