『るろうに剣心』といえば、幕末の動乱を生き抜いた伝説の剣客・緋村剣心が「不殺(ころさず)の誓い」を掲げて戦う重厚な歴史バトルアクションです。しかし、初代OPとして流れたのは「大キライだったそばかすをちょっと ひとなでして ため息を ひとつ」という、極めてパーソナルな女の子の失恋を歌ったポップチューンでした。この一見ミスマッチとも思える組み合わせの裏には、現在では信じられない制作現場の裏話が存在します。
当時、タイアップのオファーを受けたバンド側に伝えられた情報は、驚くべきことに「アニメのタイアップが決まったから、3日以内に曲を書いてほしい」という極めて大雑把なオーダーのみでした。作品のタイトルはおろか、明治初期の時代劇であることや剣客バトルであることすら知らされていなかったのです。
突然の無茶振りに直面したメンバーは、限られた時間の中で楽曲制作をスタート。リーダーの恩田快人がメロディとバッキングトラックを急ピッチで仕上げ、ボーカルのYUKIが歌詞を乗せるという超タイトなスケジュールで名曲が産声を上げました。