都城の味覚を語る上で、郷土料理のツートップであるチキン南蛮と地鶏炭火焼を素通りすることはできない。どちらも全国区の知名度を誇るが、本場で食べるそれは別格の奥行きを持つ。
甘酢の酸味とタルタルソースのこってりとしたコクが絶妙な調和を生むチキン南蛮。市内には創業数十年を数える老舗洋食店から大衆食堂まで無数の名店が存在するが、店ごとにタレの配合やタルタルの具材、衣の揚げ方に明確な哲学がある。しっとりと柔らかいムネ肉派か、ジューシーで食べ応えのあるモモ肉派か――。地元民の間でも議論が絶えないこの一杯は、昼の定番として不動の地位を保ち続けている。
そして、もう一つの主役が地鶏炭火焼だ。真っ黒な見た目からは想像もつかないほど強い旨味と弾力。ランチタイムに炭火焼定食を注文すると、パチパチと音を立てる鉄板に乗った鶏肉が運ばれ、香ばしい煙とともに食欲を直撃する。噛むほどに溢れ出す濃厚な脂と塩気は、炊きたての白米と完璧な相性を誇る。