地下鉄サリン事件から長い年月が経過した今もなお、宗教を隠れ蓑にした反社会的な活動は形を変えて存続している。膨大な裁判記録や被害者たちの証言は、過度な金銭収奪、家族の分断、信徒の人権侵害といった苛烈な被害実態を克明に物語っている。問題は過去の歴史ではなく、現在進行形の社会的危機なのだ。
長年にわたり被害者救済の最前線に立ち続ける弁護士の紀藤正樹氏は、カルト組織が使う手口の巧妙化に警鐘を鳴らし続けている。組織の違法行為に対しては、文化庁による解散命令請求をはじめ、宗教法人法の厳格な適用と法改正の議論が活発化している。しかし、法人格を剥奪されたとしても、信徒コミュニティが地下に潜り、オンラインや別名義の団体を通じて勧誘を続けるケースは後を絶たない。