日本の旅情を語る上で欠かせないのが、70年代フォークソングの金字塔として今なお歌い継がれる名曲「岬めぐり」だ。作詞を手掛けた山上路夫の繊細な歌詞と、山本コタローとウィークエンドの温もりある歌声が融合したこの楽曲は、失恋の傷を癒やすためにバスでひとり岬を巡る青年の切ない心情を描いている。音源を管理するソニー・ミュージックエンタテインメントのアーカイブでも、昭和の音楽史を代表する一曲として燦然と輝きを放っている。
曲の中で描かれた切なくも美しい風景は、半世紀近くが経過した現在も色褪せることはない。むしろ、情報が溢れかえる現代社会において、一人静かに波の音に耳を澄ませる旅の原点として、若者たちの間でも再評価が進んでいる。