日本の映画産業を牽引する東宝のプロデューサー陣も、彼女の動向から決して目を離さない。従来のアイドル的人気に依存した興行形態が曲がり角を迎える中、映画館に観客を呼び戻せる本物の演技派が切実に求められているからだ。
映画配給会社と芸能マネジメント各社による激しい争奪戦の根底には、スクリーンを支配できる主役級アクターの枯渇がある。春日いとは、大作エンターテインメントのヒロインからミニシアター系の尖ったアート作品まで演じ分けられる稀有なレンジの広さを持つ。この柔軟性と芯の強さこそが、映画人を駆り立てる最大の要因だ。