ゾロの代名詞ともいえる「三刀流」。その中心に常に鎮座しているのが、純白の鞘と柄を持つ和道一文字だ。両手に構える刀が激闘のなかで刃こぼれし、あるいは砕け散ろうとも、ゾロが口にくわえるこの刀だけは一度として折れたことがない。東の海のシモツキ村で育った幼少期、幾千回もの稽古を重ねても一度も勝てなかった親友・くいな。彼女の突然の不慮の死を受け、彼女の形見として譲り受けた瞬間から、この刀はゾロの命そのものとなった。
「あいつの分まで強くなる」「天国まで俺の名前が届くように世界一の大剣豪になる」。涙とともに叫んだあの日の誓いは、今も変わらず白鞘の内に脈打っている。鷹の目ミホークとの最初の激突において、三代鬼徹も雪走も持たぬ無名刀二本が粉々に粉砕された際も、和道一文字だけは刃毀れ一つなくその威厳を保ち続けた。それは単なる硬度や名刀としての格の違いだけではない。背負う意志の重さが、折れることを許さないのだ。