静寂と孤独が日常化した都市部で、温かな雑音を求める人々の足が向いている。長らくシニア層の専売特許と見なされてきたこの空間に、いま20代から30代の姿が目立つようになった。レトロな内装やサイフォンで淹れる珈琲といった純喫茶文化の魅力が再評価されたことが入り口となり、その奥にある「人の温もり」に触れて定着するケースが後を絶たない。
個室カラオケでは味わえない開放感と、即席のオーディエンスが存在するライブハウスのような高揚感。歌い終わると同時に見知らぬ隣人から「いい声してるね」「その選曲、渋くていいね」と声がかかる。画面上の「いいね」ではなく、生身の人間から手渡される拍手や言葉のやり取りが、デジタルネイティブ世代の孤独感を癒やすサードプレイスとして機能し始めている。