合唱曲『虹』の歌詞の意味を紐解くうえで、最も象徴的なフレーズが冒頭の「僕らの出会いを 誰かが別れと呼んだ」という一節です。一見すると逆説的なこの言葉には、時間の不可逆性と、成長に伴う必然的な旅立ちへの眼差しが込められています。
学校生活における仲間との日々は、始まった瞬間から「卒業」というゴールに向かってカウントダウンが始まっています。つまり、出会ったこと自体が別れのプロローグでもあるのです。御徒町凧さんが紡ぎ出す詩世界は、単なる感傷にとどまらず、傷つき悩みながらも自分自身の足で立とうとする青少年のリアルな葛藤を浮き彫りにします。
そして楽曲の最高潮で繰り返される「越えて 越えて 越えて」という叫び。ここでの「越える」対象は、他者との壁だけでなく、昨日までの弱気な自分自身に他なりません。絶望や不安の雨が降ったあとにしか架からない「虹」だからこそ、困難を乗り越えた先にある未来への架け橋として、人々の心に強烈なカタルシスと涙をもたらすのです。