セレクトセールをはじめとするセリ市で、佐々木氏の隣には常に妻である榎本加奈子夫人の姿がある。夫妻による馬選びは、競馬サークル内でも非常に高い評価を受けている。
骨格のバランスや筋肉の質感をアスリート目線で見抜く佐々木氏に対し、榎本夫人は馬の気性や瞳の輝き、放牧地での立ち居振る舞いから内面的な強さを直感的に察知する。この論理と直感の融合こそが、高額馬だけに頼らない独自の相馬眼を支えている。
命名にも独自の美学が光る。「頂点」を意味するロシア語から名付けられたヴィルシーナ、「偉大な馬」を意味するフランス語のシュヴァルグラン。洗練された響きと強い願いが込められた馬名たちは、ファンの記憶に深く刻まれている。