インフルエンザウイルスが体内に侵入した際、すべての人に高熱や激しい関節痛が現れるわけではありません。医学的な研究データによると、インフルエンザ感染者のうちおよそ30%から50%は無症状、あるいはごく軽微な鼻水や倦怠感程度で経過することが確認されています。
いわゆる隠れインフルエンザと呼ばれるこの現象は、本人が「少し疲れが出たかな」「軽い風邪を引いた」程度にしか感じないため、医療機関を受診して検査を受ける機会がありません。その結果、本人の記憶の中では「生涯未罹患」としてカウントされ続けることになります。
インフルエンザにかかったことがない理由を医学的に大別すると、以下の3パターンに集約されます。
① ウイルスが気道粘膜に付着しても自然免疫で瞬時に排除されているケース
② 感染してウイルスは増殖したが、過剰な炎症反応(サイトカイン放出)が起きず無症状で終わったケース
③ 過去に類似したウイルス株に感染した経験があり、交差免疫によって軽症化されているケース