一見すると完全無欠に見える「獅子の心臓」だが、物理法則を無視した時間停止には当然リスクが存在する。本来であれば、自身の時間を止めれば心臓の鼓動すら停止するため、数秒以上の発動は自らの死を意味する。ここに彼が編み出した極めて異常なカラクリが存在した。
彼が取った手段こそが、自身の心臓を他者に寄生させる技術「小悪魔の小指」だ。数十人に及ぶ自らの「妻」たちに心臓の負担を押し付けることで、彼はノーリスクで無制限の無敵時間を獲得していた。しかし、これこそが最大の弱点でもあった。妻たちの存在が不可欠であり、彼女たちとのリンクが断たれた瞬間、彼の鼓動は自身の胸へと戻り、時間制限という現実的な縛りが発生する。