テレビドラマ『すいか』や映画『めがね』といった作品群は、公開から年月が経った今も熱狂的な支持を集めている。特に『すいか』は、世間の求める「普通」から少しだけ外れた女性たちが集う下宿先を舞台に、人生のほろ苦さと愛おしさを描き切った伝説的なヒューマンドラマとして語り草だ。
これらの作品に共通しているのは、何者かになろうと焦る現代人の背中を、「そのままでいい」とそっと撫でてくれるような寛容さである。彼女が演じるキャラクターたちは、決して完璧な人間ではない。迷い、立ち止まり、それでも美味しいものを食べて笑う。その姿が嘘偽りなく響くのは、演じる本人の人生観が作品の根底に溶け込んでいるからに他ならない。