バストのサイズ感において、他者の視線と本人の実感、そして測定数値の三者が一致しない最大の原因は「容積(ボリューム)の分散様式」にある。同じCカップであっても、細身でアンダーバストが65cmの人と、骨格がしっかりしたアンダーバスト75cmの人では、乳腺と脂肪の総質量はまったく異なる。いわゆる「姉妹サイズ」の理論が示す通り、65Dと70C、75Bのカップ容積はほぼ同等だ。しかし、平面的に見えるか立体的に突き出すかは、アンダーバストの周囲長と胸郭の形状に左右される。
美容外科学の知見によれば、胸郭が平たい「扁平胸」タイプの人はバストの底面積(バージスライン)が広がりやすく、正面から見たときに高さが出にくいため、客観的なカップ数よりも小さく見えやすい。一方、胸郭が円筒形に近い欧米型の骨格を持つ人は、同じ体積でも前方に突き出すため、視覚的なインパクトが強くなる。視覚情報としての「大きさ」と、下着が包み込むべき「体積」は別物なのである。