八十代半ばを迎えた司忍組長の健康状態と勇退の時期については、これまで幾度となく憶測が飛び交ってきた。だが、六代目体制を盤石なものとしたのは、府中刑務所からの出所後に圧倒的な恐怖と規律で組織を再統合した髙山清司若頭の采配にほかならない。
関係筋によると、両首脳が描く継承プランは「抗争の完全終結の宣言」と「七代目への円滑な禅譲」の二段構えだという。突発的なトップの交代劇ではなく、儀式としての継承盃を整然と執り行うことで、六代目山口組の絶対的な正統性を内外に誇示する狙いがある。だが、残された時間は決して無限ではない。電撃的な引退劇の幕がいつ上がってもおかしくない緊張感が、総本部の置かれる神戸・灘の空気に漂っている。