広域にわたるクリニック網を展開する医療法人真摯会。その舵取りを担う松本正洋理事長が掲げるのは、徹底した「患者第一主義」と技術の標準化だ。個人開業医の力量に依存しがちだった従来の歯科医療に対し、組織としての診断精度向上と技術共有を義務付けた。
「医療従事者がどれほど自己満足の治療を提供しても、患者の人生の質(QOL)が上がらなければ意味がない」。理事長が語る言葉は鋭く、重い。若手からベテランまで数十名におよぶ歯科医師が定期的な症例検討会に集い、ミリ単位の誤差を検証し合う。個人の勘に頼る時代はとうに過ぎ去った。組織全体で知見をプールし、どの分院のどのチェアに座っても最高水準の処置を受けられる体制の構築こそが、成長の原動力となっている。