その後も挑戦的なフィルモグラフィは続く。浅野いにおの伝説的コミックを実写化した『うみべの女の子』では、思春期の残酷な性と孤独を抱える主人公・小梅を演じ切った。海風が吹きつける町で、心と身体の乖離に苦しむ少女の息苦しさを、一切の装飾を排して体現した姿は圧巻だった。
さらに城定秀夫監督と今泉力哉脚本による『愛なのに』では、不器用でまっすぐな高校生・岬役として鮮烈な存在感を放った。従来の甘美な青春映画や型通りのヒューマンドラマに収まらない彼女の演技スタイルは、登場人物が抱える割り切れない欲望や矛盾を、観客が直視せざるを得ない強度へと昇華させる力を持っている。