『埼玉県のうた』のリリースは、これまでのご当地ソングの文脈を根本から書き換えた。従来の地域ソングといえば、観光名所を讃える情緒的な歌謡曲か、自治体主導のPR音頭が相場だった。しかし、はなわが叩きつけたのは、日常のリアルな違和感と偏愛をユーモラスにビートに乗せたロックチューンだ。
「池袋は埼玉の植民地」「名物がない」といった自嘲を、痛快なリズムとキャッチーなメロディでコーティングする手腕。埼玉県民自らが自虐を誇りに変えるための武器を、音楽という形で手渡された瞬間だった。発売と同時にSNSで爆発的な拡散を見せ、学校の教室から居酒屋のカウンターまで、世代を超えて口ずさまれる異例のロングヒットを記録した。