佐藤愛子の家族構成と娘の生い立ちを語る上で避けて通れないのが、父である小説家・田畑麦彦の存在と、佐藤家に脈々と流れる破天荒な血筋です。
佐藤愛子は最初の夫である医師との間に長女・響子をもうけた後、離婚を経て作家の田畑麦彦と再婚しました。しかし、田畑麦彦が興した会社の倒産によって数億円にのぼる莫大な借金を背負うことになります。佐藤愛子はこの途方もない負債を返済するため、凄まじいエネルギーで原稿を執筆し続け、見事に完済を果たしました。この壮絶な再婚生活と離婚劇は、多感な時期を過ごした娘・響子の人生観にも大きな影響を与えました。
さらに佐藤愛子は、自身の父である劇作家・佐藤紅緑、異母兄のサトウハチローをはじめとする一族の狂気と業を描いた自伝的小説『血脈』を発表。家族の抱える深い傷や葛藤、そして逃れられない宿命を赤裸々に描き切りました。杉山響子もまた、この強烈な一族の血を受け継ぎながら、母の再婚や借金騒動という荒波を生き抜いてきた当事者の一人なのです。