近年のデジタルアーカイブや非破壊X線調査によって、巨大な木像の内部構造が劇的な形で解明されつつある。かつては巨大な一本木から切り出されたと考えられたこともあったが、実際の構造は無数の木質パーツを精密に組み合わせる「寄木造(よせぎづくり)」の極致であった。
像の内部は空洞化され、重量の軽量化と木材の狂い防止が徹底して計算されている。パーツ総数は実に千数百点におよび、個々の部材が完璧な精度で噛み合っていた。さらに、内部を補強する力学的な柱構造や、風圧や地震の揺れを分散させる工夫が施されていたことが最新の木彫構造解析で判明。800年間、一度も倒壊することなく奈良の地に立ち続けてきた背景には、芸術的感覚だけでなく、現代の建築工学にも通じる高度な構造設計が隠されていたのである。