子育てが一段落した2010年代、彼女は運命的な自己表現の手段と巡り合う。それが「フラワーアート」だった。だが、彼女が手掛ける作品は、いわゆる静穏なフラワーアレンジメントの枠組みを大きく逸脱している。
数メートルの巨木を自らの手で担ぎ上げ、チェーンソーやノコギリを振るって大胆に空間を切り取る。そのダイナミックな創作風景は、まさにJAC時代のアクションそのものだ。花を挿す指先の繊細さと、大木を組み上げる強靭なフィジカル。枯れゆく命の儚さと、咲き誇る一瞬の爆発力。東日本大震災の復興支援や世界遺産での奉納展示など、社会貢献を兼ねたエネルギッシュなインスタレーションは、観る人々に深い勇気と圧倒的な感動を与えている。