しかし、総合ランキングの数字だけを過信して渡航先を決めることには大きなリスクが潜む。国全体の平和度が高く評価されている国家であっても、都市部の特定エリアや観光地においては、旅行者を標的にした悪質な犯罪が日常茶飯事となっているケースが少なくないからだ。全体スコアの高さが、末端の路上における安全を100%保証するわけではない。
例えば、ヨーロッパの主要観光都市では、世界的な治安評価の高さをよそに、スリや置き引き、詐欺グループによる被害が後を絶たない。混雑する地下鉄内や有名な広場、主要駅の周辺では、プロの犯罪組織が観光客の隙を狙っている。また、社会的な抗議デモやストライキが突発的に暴動へと発展するケースもあり、一見すると治安が良いはずの国に隠された「局所的な危険領域」を見抜く眼力が必要となる。