しまっちゃうおじさんのトラウマを決定的なものにした最大の要因は、間違いなく歴代キャスト陣による圧倒的な怪演にある。1995年版テレビアニメおよび劇場版で声を担当した重鎮・柴田秀勝の演技は、今なお伝説として語り草だ。
重厚で威厳に満ちた低音ボイスを持つ柴田が、あの淡々としたトーンで「しまっちゃうからね〜」と呟くギャップ。大御所俳優が惜しげもなく注ぎ込んだ底知れぬ狂気と威圧感は、アニメ史に残る怪演となった。制作現場では、あえて感情を排した冷徹なリズムを徹底することで、あの独特の不気味さを生み出したという。
一方、2016年からフジテレビで放送中のアニメシリーズでは、黒田崇矢がバトンを受け継いだ。低く響く美声の中に漂う妖しさと、どこかスタイリッシュでありながら逃れられない絶望感。歴代の名優たちがそれぞれの解釈で吹き込んだ声の魔力が、キャラクターの不滅の命を支えている。