現在のスイーツシーンで起きている最大の革命は、「空気の抱き込み方」の再定義だ。かつてのような重厚なハワイアンスタイルや、ただベーキングパウダーで膨らませた厚焼きとは一線を画す。メレンゲの気泡密度を極限までコントロールし、低温スチームを織り交ぜてじっくり火を入れる技法が定着した。
口に入れた瞬間に消える儚さと、舌の上に残る濃厚なミルクの余韻。この二律背反を成り立たせているのは、徹底した温度管理と粉の選定だ。単に「映える」だけでは目の肥えた客は動かない。今求められているのは、フォークを入れた瞬間の手応えと、胃もたれを一切感じさせないエアリーな後味の両立である。