2019年の「剣璽等承継の儀」でも注目を集めた三種の神器ですが、現在それらはどこにあり、どのような状態にあるのでしょうか。最新の神道学および歴史的知見から整理すると、次のようになります。
【現在の三種の神器の配置と状態】
・八咫鏡(やたのかがみ):本体は伊勢神宮(内宮)に御神体として鎮座。宮中の賢所(かしこどころ)には形代が安置されています。
・八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま):壇ノ浦で奇跡的に回収されたものが唯一無二の本体であり、現在も皇居の「剣璽の間」に厳重に保管されています。
・草薙剣(くさなぎのつるぎ):本体は熱田神宮に鎮座。皇居の「剣璽の間」にある宝剣は、壇ノ浦後に再調進された正統な形代です。
神道において形代は本体と完全に同等の神性を宿すものとみなされます。したがって、「壇ノ浦で宝剣が沈んだから現在の神器は偽物である」という解釈は成り立ちません。勾玉は本体そのものが、剣と鏡は千数百年にわたり祈りが捧げられてきた正統な形代が、現在も皇室の歴史を静かに紡いでいます。