ホールの大扉をくぐり、客席に足を踏み入れると、まず空気のピンと張り詰めた静寂に包まれる。大ホールの改修に伴って全館に配備された最新のアコースティック・チューニング技術は、残響時間の緻密なコントロールを可能にした。オーケストラの繊細な弦の擦れる音から、ロックコンサートの地鳴りのような重低音まで、一切の濁りなく客席の隅々まで届く。
実際に演奏を行った国内外の指揮者やアーティストからは、「ステージ上での音の返りと、客席への伝わり方のバランスが劇的に向上した」と驚きの声が相次ぐ。鑑賞体験そのものが格段にアップデートされたことで、これまで都内の劇場へ足を運んでいた層が、わざわざ栃木まで遠征してくる現象さえ生じている。