イギリスの特異な構造が最も身近に表れるのがスポーツの現場だ。サッカーのFIFAワールドカップでは「イギリス代表」というチームは存在しない。イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドがそれぞれ独立した地域協会として個別に予選を戦う。ラグビーやゴルフでも同様の独立した枠組みが尊重されている。
対照的に、オリンピックでは「チームGB(グレートブリテンおよび北アイルランド代表)」として一つのナショナルチームを編成する。また、国連やG7などの国際政治・外交の場では、主権国家である「UK」が一括して交渉に当たる。大会の歴史的背景や機関の性質に応じて「4つの国」と「1つの国家」を柔軟に使い分けるスタイルこそ、この国ならではの知られざる実態と言える。