緊急地震速報の第1報が出た直後、テレビ画面の震源地が「〇〇付近」から数秒ごとに微妙に変化する光景を目にしたことがあるだろう。システムのエラーでも人間の不手際でもない。そこにはP波(初期微動)の到達という物理的制約が横たわっている。
地震が発生した瞬間、破壊点からはスピードの速いP波と、揺れの大きいS波(主要動)の2種類の波が放射状に広がる。気象庁のアルゴリズムは、全国に張り巡らされた観測網のうち、最も早くP波を検知した1〜2箇所の初期データだけで「どこで、どれくらいの規模の地震が起きたか」を瞬時に逆算する。つまり、第1報の段階では少ないデータから円を描いて交点を割り出している状態だ。観測点が増えるごとに計算精度は跳ね上がり、震源地のプロットはより確実な位置へと収束していく。