キャンバスの中に圧倒的な存在感を立ち昇らせるためには、構図の選択が決定的な役割を果たす。画面を対角線上に切り割る「ダイナミック・ディアルゴナル構図」は、龍の長い巨体を強調し、観客の手前に向かって飛び出してくるような奥行きを生み出す最強のレイアウトだ。
広角レンズで捉えたかのような「3点透視図法」を取り入れ、頭部を大きく前景に配置しつつ尾を遠景へと収束させることで、巨大感は一気に跳ね上がる。このとき、視線を集める焦点(フォーカルポイント)をどこに置くかがプロの技量の見せ所となる。眼光の輝き、鋭い牙のシャープさ、あるいは角のテクスチャに最も高いコントラストと詳細なディテールを集中させることで、絵全体にメリハリと生命力が宿る。
光と影のドラマチックな対比、いわゆるキアロスクーロ技法も欠かせない。下部からの強い照り返しや、吐き出す炎が生み出す逆光の効果を活用すれば、龍の重厚なシルエットが暗闇から立体的に浮かび上がり、神聖さと恐ろしさが同居した至高のデザインが完成する。