テレビの生放送では見せない素顔が最も色濃く現れる場所が、TBSラジオの冠番組『井上貴博 土曜日の「あ」』である。パーソナリティとしてマイクに向かう彼は、肩の力を抜き、幼少期の家族との思い出や個人的な葛藤を赤裸々に語りかける。
父親から受けた厳しい教え、母親が作ってくれた手料理の味、世田谷の公園で泥だらけになって遊んだ記憶。ラジオの電波に乗せて語られるエピソードの一つひとつが、彼が極めて等身大の感覚を持った生活者であることを証明している。リスナーからの率直なメッセージに真摯に耳を傾ける姿は、テレビ画面の硬派なキャスター像に豊かな深みを与えている。