スマートフォンの画面をスクロールして食べログやGoogle マップのスコアを眺めているだけでは、この街の本当の面白さには辿り着けない。甲府のバーガーシーンの真骨頂は、大通りから外れた目立たない小路や、住宅街にひっそりと佇む隠れ家的な飲食店にこそ隠されている。
看板すら控えめなその扉を開けると、そこにはヴィンテージのアメリカンサインと使い込まれたアイアン家具が並ぶ異空間が広がる。地元客がカウンターでバーガーを頬張りながらクラフトビールを傾け、店主と他愛のない会話を交わす。ネットのアルゴリズムでは弾かれてしまうような小さな店舗にこそ、店主の偏愛と職人技が凝縮された傑作が存在するのだ。自らの足と嗅覚で探し当てた店で食べるバーガーの味は、また格別である。