日本映画史に燦然と輝く名作の数々で主演を務め、数々の賞を総なめにしてきた三田佳子。東映の看板映画やNHKの重厚な歴史ドラマで見せた洗練された演技は、日本のエンターテインメント界における宝と言っても過言ではない。
しかし、息子の事件が起こるたびに週刊誌やテレビのワイドショーは「破格のお小遣い」や「行き過ぎた愛情」を問題視した。大女優としての多忙な日々の中、不在がちになる寂しさを補おうとした親心が、結果的に歪んだ形となって現れてしまったのではないか――そんな世間の批判が彼女の肩に重くのしかかった。仕事での華々しい功績と、家庭内で抱える現実とのギャップに、彼女自身も長く苦しみ抜いてきた。