石破茂首相の誕生に伴い、岩屋氏は外務省の舵取りを担う外相へと抜擢された。そこで真っ先に直面したのが、首相の持論である「アジア版NATO構想」を巡る国際社会の困惑だった。
アメリカ政府や近隣のアジア諸国が即座に警戒感を示すなか、外務省の官僚たちも現実的な制度設計の難しさに頭を抱えた。岩屋氏はすぐさま火消しに動き、同構想を「中長期的な課題」と位置づけ直すことで、バイデン政権から続く同盟関係への軋轢を最小限に抑え込んだ。
理想論を掲げる首相と、現実的な外交実務を担う外務省。岩屋氏はその間に立ち、クッション役として機能することで、発足初期の外交的混乱を食い止めたと言える。