「パッケージから出してそのまま鍋に入れてはダメなのか」という疑問を持つ方もいるはずです。こんにゃくの下処理を省いてしまうと、主に「不快な臭み」「えぐみ」「味染みの悪さ」という3つの大きな問題が生じます。
こんにゃくの製造過程では、原料であるこんにゃく芋の粉を固めるために消石灰(水酸化カルシウム)などのアルカリ性凝固剤が使われます。このアルカリ成分が独特の生臭さやツンとしたえぐみの直接的な原因です。そのまま調理すると料理全体に嫌な匂いが移り、繊細な出汁の風味を損なってしまいます。
さらに、こんにゃくの内部には大量の水分が含まれています。アク抜きを行わずに煮汁へ投入すると、内部の水分が外へ染み出して煮汁を薄めてしまうばかりか、調味料の浸透を強力にブロックしてしまいます。下処理によって余分な水分を外へ逃がし、組織を引き締めることこそが、調味料をぐんぐん吸い込ませるための必須ステップなのです。