R-1グランプリの審査は、お笑い賞レースの中でも最も難易度が高いと言われています。漫才のように「会話のテンポや構成」という共通フォーマットが存在せず、フリップ、コント、漫談、音ネタ、ギャグ連打など、ジャンルレスな異種格闘技戦が繰り広げられるためです。
歴代の審査員席には、大会の礎を築いた桂文枝や関根勤をはじめ、コント職人としての視点を持つバカリズム、プレーヤー目線で鋭い指摘を飛ばす陣内智則やハリウッドザコシショウ、さらにはマヂカルラブリー野田クリスタルといった新世代のチャンピオンたちが名を連ねてきました。審査基準として重視されるのは、単なる手数の多さではなく「その人にしかできない強烈な世界観」と「4分間の中で観客を自分の空間に引きずり込む力」です。
歴代の決勝を振り返っても、爆発的な笑いで審査員を圧倒したネタは今なお語り草となっています。小道具を駆使して裸一貫で会場を沸かせたアキラ100%の極限芸や、フリップのめくりと毒舌フレーズの切れ味が完璧に融合したお見送り芸人しんいちの歌ネタなど、時代ごとに最高得点を叩き出したアクトには、技術と狂気が同居する共通点が見られます。