華やかな結婚発表の先に待っていたのは、想像を絶する異国での泥臭い現実だった。松井大輔がかつて「ル・マンの太陽」と称えられたフランスのル・マンFC時代を経て、夫婦が生活の拠点を置いたのは、ブルガリア、ポーランド、そして東南アジアのベトナムなど、環境が激変する国々だった。
言葉が通じない街角で乳幼児を抱え、日用品の買い出しすら一苦労する日々。加藤は当時の苦労について、スマートフォンの翻訳アプリを握りしめながら孤軍奮闘していたと語る。練習や遠征で家を空けがちなプロアスリートの夫を支え、自らのキャリアを一時休止して家庭を守り抜いた日々は、彼女を逞しい母親へと進化させた。
見知らぬ土地を転々とする生活は、家族の結束を否応なく強固なものにした。何が起きても家族で笑い飛ばすタフネスは、この波乱万丈な海外生活の中で培われた宝物である。