知床国立公園の原生的な自然を守りつつ、安全な利用を両立させるために策定されたのが「知床世界自然遺産地域管理計画」だ。この厳格なフレームワークのもと、現地では環境省と公益財団法人知床財団がタッグを組み、昼夜を分かたぬモニタリングと現場管理を続けている。
知床財団のパトロール隊員たちは、幹線道路沿いに居座るクマに対してクラクションやゴム弾、ペッパーボールを用いた「追い払い」を即座に実施する。過度な人馴れを断ち切り、野生の緊張感を保たせるための泥臭い実力行使だ。GPS首輪を用いた行動追跡データは即座にデータベースへ集約され、危険個体が遊歩道に近づいた際には、即座にエリア閉鎖の判断が下される体制が構築されている。