ピッチ外で起きたパラダイムシフトも見逃せない。全64試合の無料生中継を断行したABEMAの存在は、国際スポーツ大会の消費様式を根底から塗り替えた。本田圭佑氏による飾らない解説がSNSを席巻し、テレビを持たない若い世代までもがスマートフォンの画面に釘付けになった現象は、国内のスポーツメディア産業における決定的な分岐点となった。
伝統的な重厚感と安定したクオリティで国民的イベントとしての熱量を伝えたNHKと、デジタルネイティブの熱狂を可視化したネット配信。この両輪が機能したことで、深夜のキックオフでありながら日本列島は異様な連帯感に包まれた。スタジアムの熱気は、瞬時にデジタル空間へと拡張され、かつてないスケールのうねりを生み出したのだ。